法定相続人の相続分(相続割合)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

相続人が相続できる遺産(相続分)は、被相続人の遺言書による相続分の指定「指定相続分」がない場合には、原則として法律で決められた「法定相続分」に従うこととなります。

 

ただし、相続人全員の合意がある場合(遺産分割協議)は、法定相続分と異なる遺産分割により相続分を決めることも可能です。

 

法定相続分とは?

法定相続分とは、民法で定められた法定相続人それぞれの遺産の取得割合をいい、相続人の相続順位や相続人の人数によって決められています。

ただし、これは遺産取得割合のみですから、具体的に誰が遺産の何を取得するのかなどは、遺産分割協議等で決める必要があります。

 

相続人とそれぞれの相続分

相続人 A 相続人 B Aの相続分 Bの相続分
配偶者のみ 全部
子どものみ 全部
直系尊属のみ 全部
兄弟姉妹のみ 全部
配偶者と 子ども 2分の1 2分の1
配偶者と 直系尊属 3分の2 3分の1
配偶者と 兄弟姉妹 4分の3 4分の1

 

同順位相続人が複数いる場合

子どもが二人あるいは三人いる場合や、直系尊属、兄弟姉妹が複数いる場合の相続分の割合は、各自が等しく相続分を有するのが原則です。

 

ただし、父母に一方のみを同じくする兄弟姉妹(半血兄弟姉妹)の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹(全血兄弟姉妹)の相続分の2分の1となります。

 

同順位相続人が複数いる場合の相続割合の例

☆相続人が「配偶者」と「子ども3人」の場合

 

まずは原則通り、「配偶者」の相続分割合は「2分の1」、「子ども3人」の分が「2分の1」となります。

つぎに、「子ども3人」で「2分の1」なので、子どもそれぞれの相続分は「2分の1」を3分割した、「6分の1」がそれぞれの相続分となります。

 

☆相続人が「配偶者」と「直系尊属(父母)2人」の場合

 

原則は、「配偶者」が「3分の2」の相続分で「直系尊属(父母)2人」が「3分の1」。

そして、「3分の1」を父母2人で分けることとなるので、父母は「6分の1」がそれぞれの相続分となります。

 

☆相続人が「配偶者」と「兄妹2人」の場合

 

この場合、「配偶者」が「4分の3」の相続分、「兄妹2人」が「4分の1」。

そして、「4分の1」を兄妹2人で分けることとなるので、兄妹は「8分の1」がそれぞれの相続分となります。

 

半血兄弟姉妹の相続割合の例

半血兄弟姉妹の相続分は全血兄弟姉妹の相続分の2分の1。

 

相続人が「配偶者」と「兄姉妹3人」の場合で、兄姉妹が「全血姉妹2人」と「半血兄1人」の場合

仮に相続財産が2000万円とすると、「配偶者」が「4分の3」の1500万円となり、「兄姉妹3人」が「4分の1」の500万円となります。

そして、「4分の1」を「全血2人」「半血1人」とで分割するので、全血姉妹は各自200万(1/4×2/5)、半血兄は100万(1/4×1/5)となります。

 

代襲相続人の相続割合

被相続人が亡くなる前に、相続人となる子どもや兄弟姉妹が亡くなっている場合は、子どもの「子」(被相続人の孫)や兄弟姉妹の子(被相続人の甥や姪)が相続することを「代襲相続」といい、この相続する者を「代襲相続人」といいます。

 

代襲相続人の相続割合(相続分)は、被代襲者(子どもや兄弟姉妹)の相続分と同様となります。

ですから代襲相続が起きたときに、代襲相続人が複数いる場合(例えば孫が2人)は、相続分を孫2人で分割することになります。

 

遺言がある場合は

各相続人の相続できる遺産(相続分)は、被相続人の遺言書による相続分の指定「指定相続分」がある場合は、法律で決められた「法定相続分」に優先します。

 

遺言書による場合は、故人の意思が優先されるため法定相続分と異なる相続分を決めることができますが、法定相続人が有する「遺留分」の権利に注意しなければなりません。

 

「遺留分」とは法定相続人が一定の割合で相続できることを保証する規定です。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントを残す

*